腱鞘とは手首から指にかけての腱の通り道上で、バンドの様に腱を支えている組織です。指を動かすたびにそのバンドのトンネルの中を腱がスライドして行ったり来たり滑ります。
その腱鞘がなんらかの原因でむくんだり厚くなり、腱がスライドする際の摩擦が強くなり腱鞘や腱に炎症や腫れが生じたものが腱鞘炎です。
親指を動かす時に手首にある腱鞘部分が痛むものをドケルバン病といいます。親指を中に握ってグーをつくり手首を小指方向に傾けた時に手首に痛みが走ればドケルバン病の可能性があります。
また指を曲げ伸ばしする時にポンッと弾くようなものをばね指といいます。これは腱の腫れて膨らんだ部分が腱鞘を通過しようとする際に引っ掛かってしまい、さらに力を入れて指を動かすと引っ掛かりが急にはずれるために起こります。
女性ホルモンの影響で腱鞘がむくんで発生することもあります。
施術方針
①前腕から手にかけて緩める
→腱鞘がむくんで腱の滑りが悪くなり摩擦が強くなっている可能性があるので、循環をよくするために手や指、それから前腕にある指を動かす筋肉群をマッサージや鍼でよくほぐしていきます。
指は複雑な動きをするため細かい筋肉がたくさんありますので、細かく診ていくことが大事です。
②首や肩、背中を緩める
→手の筋肉が硬くなったり循環が悪くなったりするのはそこだけが問題なのではなく、肩や首、背中の硬さも影響していますので広い範囲で入念にほぐしていきます。そうすることで手への血流量が増え回復が促されます。
これを繰り返していくうちに腱の滑りがよくなり、摩擦や炎症が軽減していきます。
患部の状態によっては一向に改善しない場合もありますので、その際は手術の対象になることもあります。
また炎症を抑える薬が効くこともありますので、整形外科とあわせて施術していくことをおすすめします。