腰は身体の中心にあるためどの姿勢においても動作の起点になったり、重心や軸といった姿勢を保つ上でも重要なポイントになります。
そのため悪い姿勢や偏った動作を続けると、腰部の筋肉や椎間板などに過度に負担がかかり痛みの原因となります。
筋肉が硬くなったり、筋肉を覆っている筋膜が硬くなり痛みを誘発しているもの。長時間の同じ姿勢や偏った体の使い方により筋肉が疲労を起こし硬くなり、伸び縮みしにくくなるため身体を動かしたときに硬くなった筋肉がひきつれて痛みます。慢性腰痛であり炎症性ではないもの。
施術方針
腰部の筋肉群(脊柱起立筋、多裂筋、腰方形筋など)をマッサージや鍼などで緩めます。
また身体全体の筋肉の張り方や左右差,前面後面の硬さやバランス、そして姿勢などを診ていきその患者様に合わせて全身を調整していきます。
普段の生活の中に原因があることがほとんどですので姿勢の改善やストレッチなどをアドバイスさせて頂き、ご自身でも日頃から実践して頂きます。
腰椎の間にある椎間板に圧迫ストレスなどが加わり、椎間板中心部にある髄核というゼリー状のものが椎間板繊維輪の亀裂からとび出し、神経を圧迫することで腰痛とともに臀部の痛みや脚の痺れなどを引き起こします。どの椎間板にヘルニアが発生してるかで痺れの部位がかわってきます。
明らかな筋力低下や痺れの程度が強い場合はまず整形外科を受診し、ドクターの診断を仰いで下さい。
施術方針
飛び出したヘルニアも小さくなったり場合によっては消失することが知られています。ヘルニアが完全には無くならなくとも神経の圧迫が軽減、消失することを目指して施術していきます。
腰椎周囲の筋肉は主に縦方向に走っているため、その筋肉が硬く縮まっていると腰椎同士または腰椎と仙骨の上下の距離を縮めてしまいます。
その結果として間に挟まっている椎間板には上下から圧迫力がかかり髄核を飛び出させてしまいます。その上下に走っている筋肉群にマッサージや鍼を施し緩めて血流を良くすることで柔軟性と弾力を取り戻します。
また、骨盤が過度に前傾や後傾していると同じく椎間板にストレスがかかるため、その原因となっている筋肉を探し出し緩めて骨盤の位置を整えます。
すぐに結果が出るものではありませんが、継続して施術していくことで改善を目指していきます。
背骨中にある脊柱管という脊髄や神経の通り道が狭くなる病変。脊髄や神経が圧迫されることで腰痛や脚に痛みや痺れが出ます。
主に加齢により腰椎と腰椎の間でクッションや関節面の適合の役割を担っている椎間板が弾力を失い、変性を起こし後方に突出したり、腰椎の変形や靭帯の肥厚などで脊柱管が狭くなり脊髄や神経を圧迫します。
両脚に症状が出る場合もあれば片脚だけに場合もあります。
腰椎すべり症でも同様の症状が出る場合があります。すべり症の場合は腰椎のズレをおさえるために腰部の筋肉が過剰に収縮し腰部自体に痛みが出ることが多いです。逆に脊柱管狭窄症の場合は腰部には痛みが無いことも多々あります。
施術方針
脊柱管狭窄症の場合は何かをすれば椎間板の変性や骨の変形、靭帯の肥厚が元に戻るということはありません。
しかし腰椎の周囲の筋肉を緩めたり骨盤の傾き具合などを調整することで、神経の圧迫具合がコンマ数ミリでも変わり症状が和らぐことが期待できます。器質的な変化をもたらすことはできませんが、症状が和らぐのを目指します。
排尿障害や脚の神経症状がひどい場合には手術の適応ですので、あくまでも病院での診察や検査を主体にし、症状を和らげる目的でマッサージや鍼治療を受けて頂くことをおすすめします。
腰から臀部を通り太ももの後ろ側、ふくらはぎ、つま先までいく『坐骨神経』の経路上に痛みがでる症状。特にお尻や太ももの後ろに痛みが出てるものの総称。
原因としては腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、梨状筋症候群、閉塞性動脈硬化症などがあります。
以上のように原因次第で痛みの出方は様々です。重くジンジン痛いのでとても辛い症状です。
施術方針
椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症の項目に準じますが、梨状筋症候群の場合には骨や椎間板が原因ではなく、臀部にある梨状筋という筋肉の硬さなどが原因ですので、梨状筋を含めた臀部の筋肉をマッサージや鍼などでよくほぐすことが大事になってきます。
加えて、太ももの前後や骨盤周りの筋肉をほぐしたり、筋力が弱いところがあればトレーニングも併せて行っていきます。
坐骨神経痛の原因を判断するには病院での検査が必要になります。血管の問題のこともありますので場合によっては内科的な検査が必要なこともあります。
急性腰痛症のこと。腰部の筋肉や靭帯、椎間板などが損傷を起こし急激な痛みが出ている症状。
通常は数日から1~2週間ほどで回復しますが、椎間板ヘルニアや腰椎圧迫骨折または内科的な疾患などが隠れている場合もありますので、数日経っても痛みが全く引かない場合や、脚の痺れなどが出ている場合は病院を受診してください。
など強い負荷がかかった場合もあれば何でもない動作でも起こり得ます。
施術方針
痛みのピークが過ぎて軽減するまでは安静にして下さい。通常は2~3日で軽減し始めます。
それ以降は安静にしていると逆に長引くことが多いので、我慢できるくらいの痛みになってきたらできるだけ普段通りの日常生活をして頂く方が回復が早いとされています。
施術のタイミングですが、痛みのピークを迎える前にマッサージや鍼をしてもその場で劇的に痛みが取れることはまずありません。
痛いけども少し動きやすくなったり、治るまでの期間が早まったりという効果は期待できます。ですので無理して足を運んで頂いてもいいのですが、痛みのピークが過ぎて少し動けるようになってから施術を受けることをおすすめします。
施術としては過剰に緊張、収縮している筋肉にたいしてマッサージや鍼を施し緊張を和らげます。
また、腰以外の部分から負担がかかっている場合もありますので、全身の状態を見極めながらほぐすところはほぐし、逆に筋肉の張りが足りないところは弾力が出るように刺激したりなどして調整していきます。