手・肘の痛み

肘の痛み

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)

 肘の外側から前腕の外側にかけて腱が傷み痛みがある状態。テニス愛好家に多いことから名づけられたもの。

 

 ラケットを握ると前腕外側の筋肉から腱が引き伸ばされ、その状態でバックハンドでボールを打つため、一球ごとに腱に衝撃が加わってしまいます。

 

 若いうちはいいのですが、加齢とともにどうしても腱が摩耗し痛んできてしまいます。

  • タオルを絞ると痛い
  • ペットボトルを開けられない
  • バックハンドだけ痛い
  • フォアハンドは打てる

 

 

施術方針

①前腕の筋肉を緩める

→症状の出ている前腕の筋肉が硬くなっていますのでマッサージや鍼で緩めていきます。そうすることで腱にかかるストレスを低減させます。

 前腕には手や指を動かすために細かい筋肉がたくさんありますので、くまなく緩めていきます。

 

 

②手関節を緩める

→肘と連動させて手関節も使って硬くなっているケースがほとんどですので、こちらもしっかり緩めていきます。

 

 

③肩関節、肩甲骨を緩める

→特に肩甲骨と肩関節の筋肉が硬くなって十分に動いていないケースが多いので、こちらも細かくマッサージや鍼をしていき、テニスの動作の中で全身でラケットを振れる状態にしていきます。この施術が最も大事になる場合がほとんどです。

 

ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)

 肘の内側の出っ張っている骨を中心に炎症や痛みがある状態。

 

 ゴルフの際に地面を叩いてしまったりなどして発症する。ゴルフ以外でも道具を握って行うスポーツでは、前腕の内側の筋肉が絶えず収縮を繰り返しているため、その付着部である肘の内側に負担がかかている。

  • 重いものを持つと痛い
  • 物を握ると痛い
  • 押すと痛い
  • 日常生活はほぼ問題ない

 

 

施術方針

①前腕の筋肉を緩める

→前腕内側の指を握ったり手首を曲げる筋肉が硬くなっているので、マッサージや鍼で緩めていきます。また上腕にある肘に関わる筋肉も硬くなっていますので緩めていきます。

 

 

②肩関節、肩甲骨の筋肉を緩める

→肩周囲の硬さは上肢全体に影響してきます。肘への負担を分散させるため、患部への血流を促すために入念にほぐします。

 

 

③腰など体幹の可動性を高める

→ゴルフで痛いのであればスイングの可動性を高めるために、腰や股関節といった体幹捻転かかわる部位を緩め、できるだけ腕の力に頼らないスイングができるようにアプローチしていきます。

 

 

筋肉が緩んだ状態にしておくと次第に炎症もおさまり痛みが取れてきますが、また運動を再開すると筋肉が硬くなり繰り返してしまうのでストレッチなどを徹底して行って頂きます。

 できる限り筋肉が緩んだ状態で使って頂くことが大事になります。

 

腱鞘炎

腱鞘とは手首から指にかけての腱の通り道上で、バンドの様に腱を支えている組織です。指を動かすたびにそのバンドのトンネルの中を腱がスライドして行ったり来たり滑ります。

 

 その腱鞘がなんらかの原因でむくんだり厚くなり、腱がスライドする際の摩擦が強くなり腱鞘や腱に炎症や腫れが生じたものが腱鞘炎です。

 

 親指を動かす時に手首にある腱鞘部分が痛むものをドケルバン病といいます。親指を中に握ってグーをつくり手首を小指方向に傾けた時に手首に痛みが走ればドケルバン病の可能性があります。

 

 また指を曲げ伸ばしする時にポンッと弾くようなものをばね指といいます。これは腱の腫れて膨らんだ部分が腱鞘を通過しようとする際に引っ掛かってしまい、さらに力を入れて指を動かすと引っ掛かりが急にはずれるために起こります。

 

 

 女性ホルモンの影響で腱鞘がむくんで発生することもあります。

  • パソコンなど手を酷使している
  • スマホを頻繁に操作している
  • 手首に腫れがある
  • 指が弾くように動く
  • 親指を動かすと激痛
  • 妊娠中、出産後である

 

 施術方針

①前腕から手にかけて緩める

 →腱鞘がむくんで腱の滑りが悪くなり摩擦が強くなっている可能性があるので、循環をよくするために手や指、それから前腕にある指を動かす筋肉群をマッサージや鍼でよくほぐしていきます。

 指は複雑な動きをするため細かい筋肉がたくさんありますので、細かく診ていくことが大事です。

②首や肩、背中を緩める

→手の筋肉が硬くなったり循環が悪くなったりするのはそこだけが問題なのではなく、肩や首、背中の硬さも影響していますので広い範囲で入念にほぐしていきます。そうすることで手への血流量が増え回復が促されます。

 

 

 これを繰り返していくうちに腱の滑りがよくなり、摩擦や炎症が軽減していきます。

 

 患部の状態によっては一向に改善しない場合もありますので、その際は手術の対象になることもあります。

 

 

 また炎症を抑える薬が効くこともありますので、整形外科とあわせて施術していくことをおすすめします。